ヨシガモ 葦鴨
Yoshigamo
Anas falcata
Falcated duck

ヨシガモ カモ目カモ科
緑色の頭と白黒の背中が美しい
数が少な目なカモ


ヨシガモについて



 ヨシガモは緑の顔とお尻あたりに長く垂れた三列風切りが美しい、冬の水面採餌カモです。サイズは中くらい。オカヨシガモとほぼ同じ、マガモ以下でヒドリガモよりはやや大きい程度。
 数はあまり多くなくて、私のこれまでの記録は18回のみ。同属のオカヨシガモのカウントが27回、日本の冬ガモで一番ポピュラーなマガモが150回程度なので、ざっとですがオカヨシガモ比 1:1.5、マガモ比 1:9くらいな出会いの感じです。場所的には池で見る機会が多く、たまに海でもみることがあります。一度に見る群れの数は数十くらいまでな感じでやはり群れもこじんまりしたイメージです。
 このように、「珍しい」というほど希少性があるわけではないものの、その美しさも相まって、「見つけたらとても嬉しいカモ」だと思います。






「ヨシガモ ♂」 クリックで拡大します。

ヨシガモ ♂


千葉県印西市
1024x682 px
2026/02/04
Nikon Z5II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 顔の緑色は構造色なので角度によっては黒っぽく見えます。順光気味で見るのが一番きれいでしょうか。
 完全に生殖羽になっているので、三列風切りが水面まで垂れています。英語名の"Falcated"は「湾曲した」という意味で、この三次風切りをイメージした命名です。こうしてみても、とても絵になる優雅なカモではないでしょうか。
 



「ヨシガモ ♀」 クリックで拡大します。

ヨシガモ ♀

千葉県印西市
1024x682 px
2026/02/04
Nikon Z5II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x

 一つ上の ♂ くんと同じ場所で撮った ♀。目じりがほんのり赤みがかっていておしゃれです。全体的に見てヒドリガモの ♀ とよく似た感じがします。違いはクチバシの色で、ヨシガモは全体的に黒っぽく、ヒドリガモは先端以外がはっきりした灰色をしています。
 



「ヨシガモ ♂ ♀ 葦の中」 クリックで拡大します。

ヨシガモ ♂ 葦の中

ヨシガモ ♀ 葦の中

千葉県印西市
1024x682 px

2026/02/04
Nikon Z5II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x

2023/02/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 岸辺の葦に隠れたヨシガモを見つけました。私は必ずしも葦の近くでヨシガモを多く見つけている印象はありませんが、昔の日本はもっと葦が繁った環境が多くて、そんな場所にヨシガモもたくさんいたのでしょうか。

 1枚目:♂ くんは近くで見ると胸周りの細かな白黒模様がきれいです。

 2枚目:サービスで羽ばたいてくれた ♀ さん。草被りがひどくて申し訳ありません。葦の隙間から見える翼の雰囲気がわかりますでしょうか。
 



「ヨシガモ ♂ 生殖羽移行期」 クリックで拡大します。

ヨシガモ ♂ 生殖羽移行期

福井県坂井市
1024x682 px
2020/11/22
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3

 11月後半に見つけたヨシガモ ♂ です。全体的に生殖羽に近い姿へ移行していますが、脇に茶色い羽が残っていたり、三列風切りもまだ鎌状に伸びていません。
 ちなみにこの絵はトモエガモを探しに遠路福井県まででかけたときに、たまたまいてくれたヨシガモを撮ったものです。思えば、この頃まではトモエガモってかなり珍鳥の部類だったのに、ここ3年ほどでしょうか、あちこちでトモエガモを見られるようになりました。もしかすると、近頃はヨシガモを見るよりトモエガモを見ることの方が多いかもしれません。ヨシガモももっと多く見られるようになれば良いのにね。
 



「海のヨシガモ」 クリックで拡大します。

海のヨシガモ

千葉県九十九里浜
1024x682 px
2021/01/30
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3

 珍しく真冬の時期に九十九里浜で見たヨシガモの小群れです。当日は結構波が荒れていて、ここでヨシガモを見るのはちょっと不思議な光景でした。
 九十九里浜はクロガモ、シノリガモ、ビロードキンクロなどの海ガモが多いので有名です。しかし意外とマガモ、カルガモなど、餌に植物質を好む水面採餌カモもよく見ます。ときにヒドリガモやオナガガモも見たりしますが、ヨシガモを見たのはこの一回切りです。
 九十九里浜はどこまでも砂地なため、餌になる海藻はなさそうです。なので水面採餌カモたちは単に休憩目的で海に来るのだろうと思いますが、「これだけ波が荒いと休憩にならないのでは?」みたいにちょっと心配してしまいました。






観察データ

場所と回数:福山市の池7、福山市の干潟2、大阪府の池2、愛知県の干潟1、福井県市の池1、神奈川県の池1、千葉の池3、九十九里浜1、計18回。
 水は淡水/海水どちらでもOKのようですが、なぜか川の記録はありません。「波が嫌いなのかな?」と思いきや、白波が立つ冬の九十九里浜での記録もありますので、川で見ないのは私の運なだけの気もします。そもそも観察回数が少ないので、なんとも言えないところですね。観察場所も割と局所的で、「冬ならどこででも」という感じではありません。特に大阪府の2度のヨシガモの記録はとある町中の公園にあるすごく小さい池で8年越しに見た ♀ です。たぶんここが気に入って毎年来ていたのかと。近くにもう少し大きな池もあるのに、小さいのがいいんだと。。彼女の気持ちは不思議です。
 私からすれば、もしヨシガモがいたら「おっ!これはラッキーな!」的な感じです。とてもきれいなカモなので、いつかもっと落ち着いた環境で近くから観察してみたいと思っています。

観察月と回数:

1月 2 〇〇
2月 2 〇〇
3月 2 〇〇
4月 2 〇〇
5月 0
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 5 〇〇〇〇〇
12月 5 〇〇〇〇〇

計18回
冬鳥です。春先まで見られます。4月はどちらも中旬、海辺での観察なので、北上する渡りの途中だったのかもしれません。



 (トップ画像 ヨシガモ 2015/01/11 D7100 150-600mm/F5.6-6.3 笠岡市)


 初出:2021/01/30
改訂:2021/08/11 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加
 全面改訂:2026/02/08